【読書】人類博物館の死体(★☆☆☆☆)

画像
著者は、ES細胞について知識を広めるために、この小説を書いたと言っています。なるほど、それで納得。この作品は小説としてはダメだけど、韓国のあの衝撃の事件の詳細がよくわかったし、やっぱりES細胞ってキケン。

人類博物館の死体 (ハヤカワ文庫NV)
早川書房
ジャック ミリエズ


Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

事件のオチも、登場人物のキャラも、フランス風のおしゃれ?なエスプリも、ぜ~んぶおもしろくない。
おもしろかったのは、小説全般に広がっているES細胞に関する情報の部分だけ。

なので、それ関係に興味がない人にはオススメできない作品ですが、
ES細胞っていろいろ問題があるんだよってことを知ってほしい感じもします。
それが作者の狙いなんですね。


ケガをしてペロンとむけた小さな皮膚だって細胞なんだから
そんな皮膚を大事に思う人があまりいないのと同じように、
人為的につくられた卵細胞1つがES細胞としてどんな風に使われようが同じだ、と
思う人もいるかも知れませんが、

人為的にES細胞にしてしまう点が、とてもキケンなワケです。
クローン羊のドリーと同じように、クローン人間誕生の可能性があるのです。
しかも、奇形などの異常発生率が高い。ドリーたちですらそうだったのです。


それに、女性から採取した卵細胞から人為的に胚を取り出して、クローン化したい胚と入れ替える、
そんな行為は、女性や生命の神秘を軽視し、人間として、してはならないという倫理観もあります。
なによりも、人間が、人間の生死を科学で操ろうとするなどおこがましいですね。

なので、ES細胞は、人口の皮膚や血液、臓器などの移植で大きな期待をよせられているワケですが、
そこでも、人間の生死を科学で操って良いのかという倫理観との戦いがあるワケです。


幸いなことに、羊のドリーとはちがい、人間をつかったES細胞の成功例はまだないようです。
韓国のあの衝撃の事件は、人間のES細胞ができた!とウソをついてしまった事件でした。

でも、もし、ウソではなく本当だったとしたら?
なんらかの圧力で、ウソだったと言わざるを得なかったとしたら?

…この方が、小説のネタとしたはおもしろそうだと思うんだけどなぁ。
ES細胞の最前線
河出書房新社
クリストファー・T・スコット


Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

【2009/01/01現在 コメントは、ほぼ投稿同日に、管理人が確認してから公開されます。】

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

驚いた

この記事へのコメント

2010年01月02日 23:25
明けましておめでとうございます
ご心配おかけしましたm(_ _)m
心配してくれてありがとう。感謝です。
昨年は試練の年でもあり、
気付かなかった大切なものをたくさん見つけたハッピーな年でもありました。
更新の止まったままのブログのニャンコちゃん達も
元気にお正月を迎えられていることを願います。。。

人間のES細胞が成功しお金持ちは永遠に生き続ける?
考えるだけでも怖いですね~(p・Д・;)
ビショップさんは色々なことに詳しくって尊敬しちゃいます

猫バカゆるゆるなだんご母ですが(笑)
今年もどうぞよろしくお願いします

2010年01月03日 14:01
ようこそ、だんご3にゃんさん。
新年おめでとうございます。
お元気そうで何よりです。(^_^)

皮膚とか心臓とか腎臓とか
ケガや病気や寿命でダメになった臓器を
ES細胞から作ったそれらと取り替える、
それを目的に研究されているようですが、

突き詰めて考えた先にクローンがあります。

なぜなら、移植で内臓が新しくなっても、
肝心の脳は取り替えるワケにいかないです。
そこで、クローンが登場するワケです。

遺伝子的には同一人物のもう一人の自分。

でも、物理的に別々の人間なんですから、
記憶まで共有できないですし、
そんなクローンの自分を誕生させて
何がうれしいんだろうと思いますけど、

でも、ほら、光源氏だってねぇ、
自分の理想の女性を自分で育ててますし、
その過程も楽しんでいたのだろうと
想像するのは容易ですもんね。

そうすると、クローンの自分を
自分の理想の自分に育てて、自分は死ぬ。
そんなことをしたがる人もいるのだろうと
想像するのも容易ですね。

なので、ES細胞はキケンなワケですね。

この記事へのトラックバック